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​ポスター展示

グリーンインフラに関わる情報発信と交流の場として、ポスター展示を行います

​展示場所:東京ビックサイト グリーンインフラ産業展2026 ポスター展示会場

展示期間:2026年1月28日(水)~1月30日(金) 計3日間

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件の応募

多摩川源流体験から始まる水源の森づくり

発表者

所属

​連名者

石坂 真悟

NPO法人多摩源流こすげ

所属

多摩川源流域の山梨県小菅村で、①子ども向け「源流体験(五感・安全・発見)」、②大人・企業研修版「源流体験(行動変容)」を通年で実施。子どもは水・音・匂い・苔など五感の気づきから自然への興味関心を促し、大人・企業研修版は渓畔林の多様性回復という具体的な保全アクションに参加している。
都心から近い源流を舞台にすることで、多世代が「体感する→気づく→守る」へと行動変容を促していきたい。誰もが流域住民であり、水と暮らしは直結することを実感し、「飲水想源」の心を醸成し、日本各地の美しい源流を次世代へ継ぐ循環を確立していきたい。

武蔵野台地における雨庭(NbS)プロジェクト

発表者

所属

​連名者

笹川 みちる

雨水まちづくりサポート

所属

2022〜24年に実施した「雨庭(NbS)プロジェクト」では、都市部での豪雨対策として進められて来た「雨をしみこませる」ことに着目し、東京都世田谷区・武蔵野市において誰もが取り組める「雨にわ」の実践とその効果計測に取り組みました。自然の機能をインフラ整備に活用する「雨庭」は、雨を集め、とどめて、しみこませる機能を持ち、個人が小さな規模で緑や生き物との触れ合いを楽しみながら実践することができます。プロジェクトでの具体的な事例を紹介するとともに、近年の短時間集中豪雨の急増を受け、都会で始めることができる参加型の「流域治水」について提案します。

大崎ビオトープ~雨庭の技術を応用した湿地ビオトープの維持~

発表者

所属

​連名者

中原 泰彦

Kujaku Peace

前平泉・Kujaku Peace/惣津啓太

所属

長崎県東彼杵郡川棚町に位置する大崎ビオトープには、長崎県レッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されるニホンアカガエルが生息している。2023年の発見後、壁面護岸が予定されていたが、地元住民の理解を得て保全が可能となり、外来種の除去や水面の維持管理を中心とした初期管理を実施した。その結果、2025年には動植物の生息種数およびニホンアカガエルの産卵数の増加が確認された。一方で水面の縮小や雨水流入不全が課題となったため、雨庭の専門家や地域住民と協働し、雨水と地下水の浸み出しを活かしたビオトープ整備を行った。今後は湿地を維持しつつ整備手法の有効性を検証し、グリーンインフラとしての価値向上を目指

信楽焼x雨庭土管ー失われた土の呼吸を取り戻す、焼き物の力!

発表者

所属

​連名者

武市 智子

NPO法人信楽エコビレッジ研究会

株式会社文五郎窯

所属

信楽焼の技術を応用した「雨庭土管」は、雨水を地中へゆっくり浸透させ、土中環境を整える新しいグリーンインフラです。従来の排水型ではなく“雨を活かす”発想から生まれ、ネイチャーポジティブな地域循環を実現します。これまで糸島、信楽、住之江などでワークショップや講演を重ね、環境教育と伝統工芸を結ぶ活動を展開してきました。今後は学校や自治体での体験型ワークショップを通じ、土中改良と信楽焼産業の新しいカテゴリー創出をめざします。

コミュニティガーデンで広げるグリーンインフラ

発表者

所属

​連名者

三浦 香澄

特定非営利活動法人Green Works

NPO法人Green Works

所属

本展示では、身近なコミュニティガーデンを起点としたグリーンインフラの可能性を紹介する。コミュニティガーデンは、雨水浸透やヒートアイランド緩和、生物多様性の確保といった環境機能に加え、地域住民の交流促進や防災意識の向上など社会的価値を併せ持つ小規模なグリーンインフラである。本ポスターでは、実践事例や活動のプロセスを通じて、日常的な緑の管理が地域への愛着や持続的なまちづくりにつながることを示し、誰もが参加できるグリーンインフラの広がり方を提案する。

日立市の幸福・自然・経済の循環を作るグリーンインフラ

発表者

所属

​連名者

海野 佑介

一般社団法人RootLoop

所属

RootLoopとは
Root(根・根源・起源)と Loop(循環・つながり)をかけ合わせた造語。    
「Root」は、人々や地域、自然の“源”を意味し、私たち一人ひとりの存在が大地に根付き、本来の力を取り戻すことを表しています。       
「Loop」は、自然・文化・経済・人のつながりが循環すること。      
RootLoopは、そうした根源的な“在り方”から循環する生命の仕組みを、地域全体に実装することを目指すプロジェクトです。   

「生きもの版 住民台帳」を核としたNbSの実装を目指して:石川県内の生物情報を繋ぎ、ネイチャーポジティブな未来を産学官民で創る

発表者

所属

​連名者

上野 裕介

NPO法人いしかわ生物多様性ネットワーク/石川県立大学

上野裕介・NPO法人いしかわ生物多様性ネットワーク/石川県立大学

所属

令和6年の能登半島地震を機に設立された当法人は、産学官民が連携する共創プラットフォームです 。環境アセスや自然系団体、個人、研究機関等で個別に蓄積され、散在していた生物情報をGISで集約する「生きもの版 住民台帳」を構築し、地域の共有資産として公開・活用を進めています 。このデータ基盤は、EBPM(根拠に基づく政策決定)のみならず、2026年6月のトキ野生復帰に向けた環境整備や能登の自然再生、市民協働による環境教育といった多面的なNbS(自然を基盤とした課題解決)を可能にします 。データと人のネットワークの両輪で、石川県全域のネイチャーポジティブ実現を加速させます。

名取熊野三社の道づくりを核としたグリーンインフラ×ツーリズムによる地域循環の創出

発表者

所属

​連名者

伊内 麻耶

まちもり(任意団体)

所属

名取市は、高舘丘陵から平野、海へと連なる多様な地形と、自然信仰を礎とする熊野信仰の歴史が残る地域である。本発表では、信仰の中心だった名取熊野三社の歴史的背景を踏まえ、それらを保全・再生するためのグリーンインフラの普及による古道ツーリズム構想を報告する。具体的には、山林の手入れによって生じる有機資源を活用し、古くからある参道を整備すると共に、平野部で有機土木®の技術を活用した緑化による「歩きやすい道」を新たに整備することで、自然環境の保全と観光、地域経済、人の交流を同時に促進する仕組みを提案する。古道ツーリズムを媒介に、資源・経済・人が循環する持続可能な地域づくりの可能性を共に考えたい。

よそもの・わかものによる継続的なグリーンインフラ管理の実践

発表者

所属

​連名者

柏本 ゆかり

谷津コミュ

伊藤 渚生/前山 絵里/竹内 智美

所属

ネイチャーポジティブの実現に向けて、生態系の保全・回復に向けた取り組みの重要性が増している。他方で、これまで地域の自然の保全・回復に取り組んできた保全団体等は人口減少・高齢化等により後継者不足が深刻な課題となっている。ネイチャーポジティブな社会を実現するためには、自然を管理する担い手の長期的な確保が重要となる。
上記を踏まえ、私たちは首都圏に居住する若年層を中心に個々のニーズに合わせた多様な関わり方による耕作放棄地の管理活動に取り組んでいる。本発表では、千葉県印西市をフィールドとする活動について、2年半の活動の状況と今後に向けた課題について発表する。

どこでも隙間緑化でグリーンインフラ

発表者

所属

​連名者

後藤 將夫

代表

所属

まちなかの緑化をして、コンクリートを土にして緑を増やし、グリーンインフラにしていこう。

こどもと描く100年後 ― 市民が育てるグリーンインフラ ―

発表者

所属

​連名者

来島 由美

グリーンインフラ市民学会(運営)

栗原 薫・グリーンインフラ市民学会/
法貴 弥貴・グリーンインフラ市民学会/
松下 美香・グリーンインフラ市民学会/
来島 由美・グリーンインフラ市民学会

所属

私たちは、社会や大人の既成概念によって「本当はこうだったらいいのに」と思われながら、できないものとして諦められてきた多くのことに疑問を持ちました。立場や利害に縛られず、一人の市民として「未来にどのような環境を残したいのか」という問いを胸に、研究者や地域の人々と対話を重ねてきました。そこから見えてきたのは、私たちがやりたいと感じてきたことは、多くの人が同じように願ってきたことだという事実です。なかでも、未来を最も純粋に思い描いているのは子どもたちです。その声には社会をしなやかにほどく力があります。私たちはその声を受け止め、共によりよい環境を育てていくための活動を、これからも続けます

流域に「触れる」センサリ・ロッド ― 流域教育の知識を体感につなげる協創ツール

発表者

所属

​連名者

田村 将理

途草会

所属

都市流域の大部分を構成する人工環境のなかの雨水の流れを体感的に理解し、ワークショップや環境教育に応用できる単純なツールを開発した。
GIという解決手法がとりくむ問題のひとつに都市洪水(内水氾濫)リスクがある。しかし、リスクは災害として顕在化するまでは具体的なとりくみにつながりにくく、このことが流域治水のための地域主体のGI展開のひとつの妨げになっている。
一方、「流域」が義務教育課程に含まれ、すでに全国水準で子どもたちがその「知識」を有している。この二次的な知識を「自身の体験」として体感的な納得し、それを共有することで、身近な地域に根差した想像力を涵養し、具体的な発想と行動に結ぶことができる。

グリーンインフラとグレーインフラの比較

発表者

所属

​連名者

渡辺 剛弘

善福寺川を里川にカエル会

中谷理彩子、大沼史義、菊地絵里子、鈴木律子、渡辺博重、渡辺剛弘

所属

本ポスターでは、グリーンインフラとグレーインフラを比較し、それぞれの機能や仕組みの違いを、専門知識のない人にも理解できるよ
うに図示化する。環境負荷、効果の発現や定量化、維持管理、持続性、景観といった観点にも触れながら、両者がどのような役割を果た
しているのかを視覚的に整理し、その違いを伝えることを目的とする。

みんなで取り組む「世田谷型雨庭」

発表者

所属

​連名者

神谷 博

世田谷グリーンインフラ研究会

所属

【継続的活動】世田谷グリーンインフラ研究会は2015年から活動を始め、現在も毎月研究会を開催している。参加者は産官学民から幅広いが、個人の立場で情報交換を行っている。
【現在の活動】世田谷区では2024年3月に「せたがやグリーンインフラガイドライン」が策定され、「雨水流出抑制技術指針」も改定されて雨庭の性能も表示されるようになった。これに伴い、雨庭への取り組みが加速し、「世田谷型雨庭」と言えるような取り組みが定着しつつある
【目指すところ】都市型豪雨に対し、オンサイトの雨水流出抑制を進めるために、区民皆が参加して「自分でもできる雨庭づくり」を広めていく。

下町×雨・みどりプロジェクト

発表者

所属

​連名者

笹川 みちる

雨水市民の会

所属

都市化により雨水が地面に浸透しにくくなり、豪雨時には下水道の処理能力を超えた雨水が都市型洪水や水質汚染の一因となっています。「下町×雨・みどりプロジェクト」は、東京都墨田区を拠点に、既存の雨水タンクに加え、レインガーデン、緑溝などの小さなグリーンインフラの導入により、雨水を一時的に蓄え、みどりを育て、災害に強く快適な都市をめざす取り組みです。市民や関係機関と連携して進めてきた実践を紹介します。

源流と都市をつなぐグリーンインフラ推進構想「Kosuge-Model」 ~人と自然の新たな共生モデル創出に向けた取り組み~

発表者

​所属

福島 真理子

大成建設株式会社クリーンエネルギー・環境事業推進本部自然共生技術部自然共生推進室

連名者

福島 真理子・鈴木菜々子(大成建設), 石坂 真悟・青山 大我(NPO法人多摩源流こすげ), 久住 侑士・大野 航輔(小菅村役場 源流振興課)

​要旨

自然災害の激甚化や生物多様性の減少が世界的課題となる中、その解決策として日本でも森林保全の重要性が高まっています。大成建設、小菅村、NPO法人多摩源流こすげは、源流域の森林を流域全体のグリーンインフラと再定義し、多摩川の源流域である小菅村の森林資源の利用と治山治水・生物多様性保全の両立を目指す「Kosuge-Model」を推進しています。建設事業を通じた木材利用と自然林化、社員研修、ジビエ食堂などの取組みを通じて、地域と企業が連携し、持続可能な自然共生社会の実現に向けて取り組んでいます。

八ツ掘のしみず谷津~産官学民の連携・協創による湿地の再生と活用~

発表者

​所属

池田 希穂

清水建設株式会社 環境経営推進室 グリーンインフラ推進部

連名者

橋本 純・小松 裕幸・小谷 洋史・渡部 陽介・松枝 健太郎•宮澤 夏生・池田 希穂・横井 裕菜・山邊 幸歩(清水建設株式会社)、西廣 淳(国立環境研究所)

​要旨

2021年4月より、荒廃した遊休農地だった農地を「八ツ堀のしみず谷津」と名付け、湿地グリーンインフラ(湿地GI)へと再生する活動を開始した。活動当初66種だった動植物数は、2023年には219種まで増加した。中には希少種も含まれ、動植物の生息域拡大に貢献している。加えて、湿地GI再生により湧水がゆっくり流下することで、全窒素の除去など水質浄化や雨水流出抑制機能の効果も発揮できている。
また、国立環境研究所や富里市の地元団体と連携し、谷津というフィールドを活かした研究やイベントを実施している。本活動は、湿地GIの多機能性を伝える機会の創出しつつ、新たな人と自然の関わり方の実例となっている。

響灘ビオトープにおける市民参加型の湿地・草原および生物保全活動

発表者

​所属

安枝 裕司

株式会社エコプラン研究所

連名者

安枝裕司・株式会社エコプラン研究所/廣重涼音・株式会社エコプラン研究所/デワンカー バート・北九州市立大学国際環境工学部

​要旨

響灘ビオトープは、廃棄物処分場の跡地に自然発生的にできた湿地や草地など多様な環境にさまざまな生物が生息するようになったことを背景に、市民が生物多様性に配慮しながら自然とふれあえる自然環境学習拠点として整備された。響灘ビオトープでは、ネイチャーポジティブに資するさまざまな活動の一環として、市民が生物調査や生態系の保全、外来種の駆除などを年間を通じて定期的に行う連続講座「絶滅の危機から生物を救え!~生物のすみか守り隊~」を開講している。本報告では、湿地・草地における生物多様性の保全だけでなく、浸水の緩和、気候変動対策、レクリエーションや教育の場としても多くのメリットをもたらす活動について記述する。

動植物等の環境保全のための取り組みに関する事例集

発表者

​所属

大河内 恵子

国土交通省国土技術政策総合研究所道路交通研究部道路環境研究室

連名者

大河内恵子・国土技術政策総合研究所/上野裕介・国土技術政策総合研究所、石川県立大学生物資源環境学部/檜垣友哉・元国土技術政策総合研究所/橋本浩良・国土技術政策総合研究所

​要旨

道路事業における環境影響評価で実施する環境保全措置は、有識者等の助言を受けながら各道路事業者において個別に検討されるという体制の独立性や、密猟や盗掘の恐れのある希少な動植物の観点から、情報共有が進みにくい。そこで国総研では、効果的な環境保全を支援するため、環境保全措置の事例や研究動向を整理した事例集を平成19年度に作成し、最新版を令和6年度に更新した。最新版では、収集・整理した情報や知見、確立された技術、全国の161事例等についてまとめ、千頁を超す内容となっている。また、生物多様性の保全につながる取り組みとして、地域との連携方法や資金の獲得方法等の参考となるグリーンインフラの事例を整理した。

道路空間においてグリーンインフラを実践する際の技術的留意事項 ~道路緑化及び雨水貯留浸透施設に着目して~

発表者

​所属

長浜 庸介

国土交通省国土技術政策総合研究所

連名者

根津佳樹・国土交通省国土技術政策総合研究所/大河内恵子・国土交通省国土技術政策総合研究所/橋本浩良・国土交通省国土技術政策総合研究所

​要旨

国土交通省では、2023年に「グリーンインフラ推進戦略2023」を策定(令和元年版を全面改訂)し、グリーンインフラの普及・促進に取り組んでいる。道路分野では、主に道路緑化のアプローチから道路空間におけるグリーンインフラを進めており、その実践にあたっては、関係者の連携及び施設整備、維持管理における知見やノウハウが求められている。そこで、グリーンインフラを実践する道路管理者を支援するため、関係者と連携した道路緑化の取組及び道路緑化に雨水の貯留浸透機能を付加した施設に関する事例調査を行った。ポスターでは、事例調査から整理した、グリーンインフラを実践する際の技術的留意事項の一例を紹介する。

グリーンインフラ工法の実証

発表者

​所属

田﨑 一宏

前田道路株式会社

連名者

田﨑一宏・前田道路株式会社/信清修子・東京農業大学/入江彰昭・東京農業大学

​要旨

都市部の街路樹はその多くが狭小な植栽桝に植えられており、強固に転圧された車道には根を張ることができず、歩道も地中インフラが入り根を伸ばす余地は限られているため根系の成長阻害による倒伏や「根上がり」の原因となっている。自然環境が有する機能を補完するグリーンインフラ技術として、雨水貯留材を街路樹の植栽基盤へ適用した工法の社会実装化を図るため、2022年から調査研究を進めてきた実証調査における多機能性に関する一考察を行う。  

離島の挑戦

発表者

​所属

法貴 弥貴

ちきゅうたがやす株式会社 「お庭屋さんほうき」

連名者

​要旨

島根県隠岐郡の海士町での、里海里山循環をテーマにした「自然共生型外構」を町住宅で取り入れました。離島の新たな挑戦は、これから日本が迎える課題と、すでに本土では課題になっている問題を含んでいます。
海士町は、まだ水がとても豊かな状況です。しかし急速な人口増加に伴う、住宅開発が行われる中で、自然豊かな離島で都市部のような開発で進んでいます。また、住宅開発・人口増加に伴う資源の輸送、ゴミの輸送、人手不足から働き手の移動などが大きく膨らんでいます。そこで、離島の環境とゴミ問題、島内の資源循環と経済循環を考えた外構を発表します。

モバイルフォレストリー(新たな都市樹木の循環のかたち)

発表者

​所属

當内 匡

株式会社庭樹園

連名者

Tom van den Wijngaard・Mobile Forestry /當内 匡・株式会社庭樹園

​要旨

インフラや地下施設が輻輳する大都市では、街路や広場において樹木に必要な十分な根域を確保することがますます困難になっています。
その結果、樹木の健全な成長が阻害され、都市が本来持つべき緑の価値を十分に発揮できない状況が生じています。
モバイルフォレストリーは、樹木の成長段階に応じて植栽基盤を計画的に更新・拡張することで、限られた都市空間の中でも樹木を持続的に育成する新しい都市樹木の考え方です。
これにより生態系サービスを維持・向上させながら、都市と樹木が共存する柔軟な緑のインフラを実現します。
ポスターでは、モバイルフォレストリーの概要と取り組みについて紹介します

長居公園における雨水貯留材を用いた耐圧植栽基盤整備工法について

発表者

​所属

當内 匡

株式会社庭樹園

連名者

當内 匡・株式会社庭樹園/野口 よしの・株式会社庭樹園/田﨑 一宏・前田道路株式会社/入江 彰昭・東京農業大学

​要旨

近年、都市では樹木が狭小な植栽枡に植えられることによる根上がりや舗装持ち上げ、成長不良が課題であり、またそれらはヒートアイランド現象緩和やゲリラ豪雨の雨水貯留対策としても効果が小さい。そのような課題を解決するグリーンインフラ工法は持続可能な社会に欠かせないものとなってきている。
 大阪の都市部にある長居公園において、2024年よりみどりを守り、育てる活動として、「みどりの再興プロジェクト」を開始し、公園内の植物が本来のいきいきとした姿で生育し、植物の持つ機能を十分に発揮できるよう整備を進めている。本ポスターでは、プロジェクト内で実施した雨水貯留材を用いた耐圧植栽基盤整備工法の施工事例を紹介する

スイス・チューリッヒ市におけるグリーンインフラの取組

発表者

​所属

中尾 理恵子

株式会社創建

連名者

川合史朗/所功治/中尾理恵子・株式会社創建

​要旨

 グリーンインフラの社会実装に向けた知見収集を目的とした自主研究の一環である海外視察で得られた、スイス・チューリッヒ市におけるグリーンインフラの取組を紹介する。
 チューリッヒ市では、スポンジシティ戦略を策定し、都市型豪雨による内水氾濫対策として市が計画的にグリーンインフラの整備を進めている。また、1991年から景観面のみならず、生物多様性、雨水の一時貯留といった観点も含めて屋上緑化を義務付けてきた経緯があり、単独の環境対策ではなく水循環システムや生物多様性保全と統合的に実施する質的向上を重視した取組を進めている。
 これらの取組について、具体的な事例を交えて紹介する。

都市域における土地利用変化による緑の価値変化の分析

発表者

​所属

伊藤 渚生

日建設計総合研究所

連名者

​要旨

本研究は、都市域における過去10年間の土地利用変化が、グリーンインフラの多面的価値に及ぼす影響を定量的に明らかにすることを目的とする。GISを用いて過去と現在の土地利用データを比較し、開発に伴う緑地の喪失や、再開発による緑化の遷移を時空間的に解析する。具体的には、雨水流出抑制や熱環境緩和といった生態系サービス機能を「緑の価値」として指標化し、その増減を街区・流域単位で算出する。単なる緑被率の変化だけでなく、都市の環境性能としての質的な変化を可視化することで、レジリエンス強化や持続可能な都市計画の策定に資する客観的な基礎資料を提示する。

グリーンインフラの実装における資金調達手法(ファイナンススキーム)に関する考察

発表者

​所属

長谷川 啓一

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社

連名者

長野 兆・EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社/西 大輝・EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社/鈴木 寛人・EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社/中嶋 洸太・EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社

​要旨

各事業主体の努力により、グリーンインフラの社会実装は進展しているものの、事業に必要な資金調達の観点では個別の試行錯誤が続いている。特に公共性の高い事業では、重要性が認識されながらも資金不足により実装が進まない例も多い。本研究では、グリーンインフラが生み出す収益性や受益構造に着目した調査を実施し、実装におけるファイナンススキームの課題と可能性を考察した結果を報告する。

グリーンインフラ作るだけ?

発表者

​所属

瀬口 雄一

株式会社建設技術研究所

連名者

兼頭淳・藤本光陽・佐藤大生・佐藤和輝・澤樹征司・榎本智美

​要旨

グリーンインフラ(GI)が有する治水や生態系保全等の多岐にわたる機能は、時間の経過とともに植生遷移や生息・生育する生物種によって変化します。例えば、意図せぬ外来生物の侵入は、GIがもつ生態系保全機能を損なうだけでなく、過度に繁茂した植生による流水阻害によって防災機能をも損なうリスクが生じます。
本展示では、GIの価値を持続させるために環境DNA等の技術を活用した省力的なモニタリングを通じ、GIの生態的な機能を定量的に評価し、外来生物の効率的な除去等や専門知識に基づく維持管理と、それらを対外的に広報することでネイチャーポジティブに対応した維持管理ソリューションをご提案します。

子どもから大人へどんどん広がる!グリーンインフラの輪

発表者

​所属

村上 葵

都市整備部管理課

連名者

​要旨

杉並区では昨年度のグリーンインフラ杉並区民会議において提案された「子どもから大人へ」という発想に焦点を当てた、将来を担う若い世代がグリーンインフラに関心を持ち、行動変容を起こすきっかけとなるような取組を実施しました。
小学校では、区の講座に加え、都の施設見学や、環境団体の実験を体験し、水害対策に関するつながりのある授業を実施しました。
また、子どもが行動することで大人にもグリーンインフラが広がるよう家庭で作れるミニ雨庭のワークショップを開催しました。
さらに、区立公園では、来園者に興味を持ってもらえるよう、杉並区のキャラクター「なみすけ」の雨庭を区民と一緒に作成しました。

「流域治水」事業における再生プラスチック製雨水貯留浸透製品について

発表者

​所属

中川 清文

城東リプロン株式会社

連名者

​要旨

私たち城東リプロン株式会社は、「ものづくりの力で、雨水と共存する明るい”水来(みらい)”へ」をテーマに、再生プラスチックの原料ペレットからリサイクル製品になるまで、一貫したものづくりをするメーカーです。

本年、熊本県立大学「共創の流域治水」研究室との共同研究で設置した熊本県立南稜高校グランドの雨庭が、くまもと雨庭パートナーシップ様より雨庭としての認定を頂きました。

3D都市モデル(PLATEAU)を活用した雨庭等の雨水貯留施設の設置・整備効果の可視化

発表者

​所属

黒木 幹

株式会社福山コンサルタント

連名者

黒木幹/新堀道信/佐野輝己/山下芳浩・株式会社福山コンサルタント/山下三平・九州産業大学

​要旨

3D都市モデルを活用して建築物、道路、土地被覆状況を精緻に再現した都市スケールの内水氾濫シミュレーションを構築し、雨庭等の雨水貯留施設による浸水低減効果を定量的に可視化します。雨庭モデルを組み込んだ解析により、内水氾濫対策としての投資効果や整備優先順位を客観的に評価可能とします。さらに、結果をWebGIS上で分かりやすく提示することで、EBPMに基づく政策判断を支援するとともに、住民合意形成を促進し、水害リスク低減と持続可能なまちづくりに貢献します。

新潟県スポーツ公園における雨庭モデル施設整備とモニタリング

発表者

​所属

林 寛子

公益財団法人新潟県都市緑花センター

連名者

林 寛子/小林 亘/南 佳織/高橋 忠栄・公益財団法人新潟県都市緑花センター

​要旨

新潟県スポーツ公園内において、雨水流出抑制機能の検証を目的として、2箇所の雨庭モデル施設を整備した。整備後、降雨量および雨庭内水位の連続観測を実施し、降雨特性と水位変動の関係から、雨庭の挙動を把握した。その結果、降雨時における一時貯留機能が確認された一方で、落ち葉や土砂の堆積による機能低下がみられた。本発表では、観測結果とともに、維持管理上の課題について考察する。

川崎市富士見公園のグリーンインフラの検証試験

発表者

​所属

大波 修二

(株)オリエンタルコンサルタンツ  関東支社 都市政策・デザイン部 

連名者

宮地創

​要旨

富士見公園は、全国でも先進的なPFIとPark-PFIを組み合わせた再編整備事業により、公園本来の緑地や広場を充実させ憩いと活気あふれる都市型公園にリニューアルし、2024年秋の第41回全国都市緑化かわさきフェアのメイン会場として再オープンした。環境面では木造・再エネ・水蓄熱空調による建築群の他、都心のオアシスとして芝生広場やビオトープ、緑陰のインクルーシブな遊びの広場、各所の雨庭等、雨水流出抑制と暑熱対策に配慮し設計した。2025年9月豪雨に実施したタイムラプスカメラと地下水位変動計測による雨水流出抑制効果検証と、春と夏に実施した複数個所での暑熱環境調査の概要を報告する。

枯山水を生きた山水へアップデート

発表者

​所属

滝澤 恭平

株式会社ハビタ

連名者

​要旨

球磨川の流域治水への共創による貢献を目指し、地元の食を活かした交流拠点「リュウキンカの郷」にて枯山水庭園を雨庭へ再生しました。枯山水の池底に貼られていたモルタルを撤去し、地元産のコンポスト・牛糞堆肥を加えて植物を活かす基盤に整え、植栽の成長による浸透能向上と石組み景観の鑑賞性向上の両立を狙いました。球磨川の流れを模した石組みを継承し、雨樋からの雨水を、球磨川の支流に見立てた「遣水」で庭を巡らせ本流としての雨庭窪地へ導水。窪地貯留と、底面からの浸透に加え、竪穴で鉛直方向への浸透を促進。雨庭と周辺には四季を彩る自然風の植栽を導入。熊本県造園建設業協会の協力のもと、市民・事業者協働で施工しました。

熊本グリーンインフラ研究会の取組み

発表者

​所属

米岡 伸一郎

熊本グリーンインフラ研究会

連名者

(一社)熊本県造園建設業協会/熊本グリーンインフラ研究会/山口靖久/米岡伸一郎

​要旨

熊本グリーンインフラ研究会は、新しい庭としての雨庭でグリーンインフラの社会実装を目的に、大学・金融機関・民間事業者と連携し活動してきた。地下水涵養や防災、景観、生物多様性の向上をテーマに、施工事例の創出、技術協力を行ってきた。
熊本の地域特性に即した設計・施工・維持管理の知見を蓄積し、実践を通じて技術の共有と普及を進めている。

トース土

発表者

​所属

渡部 育大

全国トース技術研究組合

連名者

​要旨

トース土は、土に添加剤を配合することで、土を耐水性団粒化構造に変え、透水性と保水性を向上させた材料です。水はけが良く、泥濘化しにくい為、グラウンドや園路でその効果を発揮していました。近年、流域治水の対策としての「雨庭」に雨水を地中に浸透させるお役に立つ材料として活用され、多方面(液状化対策、空洞化対策等)で減災の一翼を担う可能性が出てきています。そして、単体として使用するだけでなく、竹炭や肥料等と組み合わせることで、土木から農業の分野への効果も期待されています。

市民協働によるグリーンインフラ(GI)の実装 ~流域治水対策の一つとして~

発表者

​所属

土井 康義

株式会社 建設技術研究所

連名者

竹内えり子・株式会社建設技術研究所

​要旨

 近年、頻発化する水害対策への対応として、市民協働による雨庭の普及が期待されている。本稿では、市民に活動を広げていくための方法として市民参加型ワークショップを開催し、理解を促しながらビジョンづくりを行ったのでその内容を報告する。なおワークショップでは多世代型としたため、小学生でもわかるように情報提供の工夫を行った。また説明を聞くだけではわかりにくいため、実際に雨庭づくりや浸透能測定などを体験してもらうような工夫も行った。
 さらにそこで挙げられたビジョンおよび課題において、中間支援組織のニーズがあったことから仕組みづくりを検討するとともに試行を行ったので、その概要についても概説する予定とする。

土中環境改善型浸透ますの効果評価への挑戦

発表者

​所属

栗原 薫

有限会社栗原造園

連名者

栗原薫 栗原直樹・有限会社栗原造園/尾崎 昂嗣・合同会社アールアンドユー・レゾリューションズ

​要旨

近年、グリーンインフラの手法として、竹炭等を用いて土中の水と空気の流れを整える「土中環境改善」が注目されていますが、その効果は定性的な評価に留まる傾向にあります。本発表では、埼玉県川越市の住宅の敷地内に設けた石や落ち葉等有機物を使用して「土中環境改善型浸透ます」を施工し、その浸透能力を定量的に評価した結果を報告します。 ボアホール法による現地浸透試験の結果、施工から約1年後の飽和透水係数は、施工前と比較して顕著な増大傾向が確認されました。科学的根拠に基づいた評価を積み重ねる重要性と、社会実装に向けた課題を提示します。

伝統的な水田水路網が有する流出抑制機能の構造的要因の解明

発表者

​所属

亀山 柊宇

九州大学

連名者

林博徳・九州大学 / 髙田浩志・九州大学 / 武末瑞季・株式会社 構造計画研究所 / 島谷幸宏・熊本県立大学

​要旨

近年、豪雨の頻発化を背景に流域治水の重要性が高まっている。水田は古くから治水機能を有するとされてきたが、圃場の大規模集約化や水路の直線化・コンクリート化により、その機能低下が指摘されている。本研究では、微地形を保持した伝統的な水田土水路網が流出抑制機能を有すると仮定し、熊本県益城町の未整備水田を対象に、現地観測による流出量の定量評価と数値計算による水理挙動の解析を行った。その結果、幹線水路を結び等高線に沿って配置された支線水路が流出の遅延をもたらしていることが明らかとなった。以上より、伝統的水田の複雑な土水路網は、グリーンインフラとして流域治水に資する可能性が示唆された。

三重県いなべ市の伝統的水利施設「マンボ」は地域の生物多様性を支えるグリーンインフラか?

発表者

​所属

池ヶ谷 咲妃

京都産業大学 生命科学研究科

連名者

西田貴明・京都産業大学

​要旨

地域に残る伝統的水利施設は、生物多様性や文化・歴史の保存に寄与する[伝統的グリーンインフラ」として再評価されている。三重県いなべ市にも約200年前に人力で掘削された地下水路「マンボ」が現存する。本研究では、環境DNA分析技術を用いてマンボの魚類群集を網羅的に把握し、他の水域と比較することで、昨年度に実施した水生生物の生物調査では十分に評価しきれなかったマンボが魚類に提供する生息環境の特性を明らかにすることを目的とし、地域の生物多様性を支えるグリーンインフラとしての役割を評価する。本研究は、伝統的水利施設を地域の生態系を支えるグリーンインフラとして位置づけ、保全と活用の両立に資する知見を提供する

伝統的空石積み護床工を対象としたNbSとしての魚類生息場機能の評価

発表者

​所属

北 輝斗

九州大学大学院工学府土木工学専攻

連名者

林博徳・九州大学大学院工学研究院環境社会部門/兒嶋力也・福岡市役所/髙田浩志・九州大学大学院工学研究院環境社会部門

​要旨

自然環境が持つ機能を活用し、気候変動などの社会課題を解決する方法としてNbSという概念が提唱されている。本研究では、伝統的河川構造物である空石積み護床工をNbSとして捉え、魚類の生息場としての機能を評価した。筑後川水系野鳥川に設置された17個の護床工とその上下流30mを対象に物理環境調査と魚類採捕調査を行った。その結果、空石積み護床工上は練石積みやコンクリートの護床工上と比較して魚類の個体数密度や種数が多く、生息場として機能していることが明らかになった。また、護床工上のフルード数が低いほど生息場機能や生息場を接続する機能が向上することが示唆された。

流域横断河川がもたらすグリーンインフラ機能~花宗川・山ノ井川における希少魚類生息場機能~

発表者

​所属

山﨑 庸平

九州大学大学院工学府土木工学専攻

連名者

Raisa Gautama・九州大学大学院工学府土木工学専攻/林博徳・九州大学大学院工学研究院環境社会部門/鹿野雄一・九州大学大学院工学研究院環境社会部門

​要旨

近年、利水と自然環境の両立の観点から、複数の流域に属する水域への関心が高まっている。本研究ではこの一例として、流域横断水路である花宗川・山ノ井川を対象にその魚類多様性を評価し、その環境要因を解明することを目的とした。調査の結果、対照河川と比較してタナゴ類やアリアケギバチといった希少種が多数生息しているのが確認された。また、統計解析により、石積護岸の存在や接続する水路延長が希少種の生息に正の影響を与えることが示された。花宗川・山ノ井川と接続する灌漑水路には多くの石積護岸や植生、上下流の連続性が保たれる伝統的な堰が残されており、多様な魚種の生息に適した環境を提供していることが考えられた。

伝統的水利用に見る地域のレジリエンス ―長崎県島原市・湧水施設を事例として―

発表者

​所属

田浦 扶充子

福岡大学

連名者

田浦扶充子・福岡大学/島谷幸宏・熊本県立大学

​要旨

長崎県島原市は、普賢岳の噴火災害の恩恵である湧水を古くから利用してきた。なかでも浜の川湧水周辺は、約200年前の噴火後に生じた湧水を中心に形成された地区であり、現在も共同利用である湧水の水場は洗濯や水汲み等の生活拠点として利用され続けている。本発表では、現地調査やヒアリングに基づき、コロナ禍という非日常においても週1回の水場の共同清掃が継続されるなど、利用と管理を中心としたコミュニティが維持されていた点を整理した。生活に密着した日常の場だからこそ、危機の際にも変容せず持続するという伝統的水利用のレジリエンスの可能性について報告する。

川と用水における機能残存性比較

発表者

​所属

寺村 淳

大正大学

連名者

​要旨

熊本県南部の人吉盆地では、相良藩の安定した統治の背景もあり、近世より多くの農業用水が整備されてきた。
近世から整備が始まった用水整備は、百太郎溝や幸野溝など、大規模な灌漑範囲を持つものから、ごく小さな河岸沿いの農地を潤すものまで、さまざまである。これらの用水は現在も利水施設として維持管理されている。多くの場合、農業用水として土地改良区などによる管理が続けられているが、御溝のみ河川と位置付けられ、現在に至っている。
いずれも近世に端を成す用水であるが、農業用水として管理されてきた百太郎溝などと御溝では様々な機能の違いがあることが明らかになった。

千葉県佐倉市におけるグリーンインフラ機能としての景観形成の評価

発表者

​所属

高屋 浩介

島根大学

連名者

高屋浩介・島根大学/西廣淳・国立環境研究所/大坂真希・国立環境研究所/曽我昌史・東京大学/橋本禅・東京大学/幸福智・いであ株式会社/那花美奈・いであ株式会社/二塚香美・いであ株式会社/小林真二・いであ株式会社/吉田丈人・東京大学

​要旨

グリーンインフラは防災などの分野で注目を集めている一方、景観形成機能に着目した研究は少ない。本研究は千葉県佐倉市を対象に、アンケート調査とGIS解析を組み合わせ「佐倉市らしい里山景観」の評価を行った。まず、市民が投稿した景観写真を用いて里山景観の構成要素を抽出した。次に、それらの景観への市街地からのアクセス性(サプライ)を評価した。さらに、アンケート調査で重要度(ニーズ)および満足度(利用実態)を集計し、町丁目スケールにおいてサプライとの関係性を評価した。その結果、地区ごとにニーズおよび利用実態が大きく異なることが明らかとなり、今後のグリーンインフラ施策の立案に活用できる可能性が示唆された。

奥能登丘陵周辺の景観と土地利用から植生復元を考える

発表者

​所属

中村 華子

金沢大学 先端科学・社会共創推進機構

連名者

​要旨

能登半島北東部に位置する奥能登丘陵の背斜構造、向斜構造とその周辺では長い期間土地が利用され、伝統的な農村景観が形成されてきた。令和6年能登半島地震および2024年9月の豪雨では顕著な地形変化が多く確認され、その対策が進められている。地域の生産力を維持し周辺環境を保全するためには源頭部にあたる尾根、山頂からのさらなる土壌流出や被害拡大を防ぐことが重要である。一方で、一連の地形変化は世界農業遺産である奥能登地域の伝統的景観の形成課程との関連も示唆される。地域の資源をいかした地域らしい再生のためには土地の利用方法や景観の保全、さらに植生復元に関して多角的な評価や長期的な視点による対策の検討も重要だと

森林環境譲与税の自治体特性に応じた活用の傾向分析 ―近畿226市町村の定量分析に基づく4類型化と意思決定プロセスの解明―

発表者

​所属

富岡 瑠加

京都産業大学大学院

連名者

西田貴明・京都産業大学

​要旨

森林資源の成熟に伴い、グリーンインフラとして適切な整備を進めていくことが急務である。その財源として森林環境譲与税が導入されたが、現場では専門職不足や使途の不明確さが顕在化している。本研究は自治体特性ごとの森林環境譲与税における使途の現状と、そのプロセスの解明を目的とする。近畿226市町村を対象に人口や林業従事者数等を用いた定量分析及びヒアリングにより4類型化し、本税の活用状況をクロス集計により調査した。結果、自治体の人口が使途の多様化に寄与する一方、森林整備の使途は自治体の林業従事者数より人工林面積に依存する傾向が見られた。この結果から、各類型に適した本税活用の実効性を高める施策を提言したい。

植生の違いが与える森林の土壌浸透能および生物生息分布の関係

発表者

​所属

大村 彬

九州大学大学院 工学府 土木工学専攻

連名者

大村彬・九州大学大学院工学府土木工学専攻/林 博徳・九州大学大学院工学研究院環境社会部門/髙田 浩志・九州大学大学院工学研究院環境社会部門/鹿野 雄一・九州大学大学院工学研究院環境社会部門/田浦 扶充子・福岡大学大学院工学研究科/池松 伸也・九州大学大学院工学研究院環境社会部門

​要旨

近年、気候変動に伴う豪雨災害の甚大化や生物多様性の劣化が懸念されている。そのため、森林がもつ治水機能や生物生息場機能が注目されている。本研究では、福岡県朝倉市野鳥川流域に位置する森林植生の違いが、浸透能及び土壌動物相にどのような影響を与えるか調査した。その結果、広葉樹林では針葉樹林に比べて浸透量が約3倍、土壌動物の個体数が約5倍、種数が約1.4倍であることが明らかになった。また、浸透量と個体数、浸透と種数の間に正の相関があり、土壌動物の活動と浸透能の向上に相関関係があることが明らかとなった。すなわち広葉樹林を適切に管理していくことで、森林の治水機能や生物多様性につながる可能性が示唆された。

リーキーバリアの流量低減効果の水理学的評価と小河川への実装

発表者

​所属

萱場 祐一

名古屋工業大学

連名者

近藤学永・名古屋工業大学/萱場祐一・名古屋工業大学/宮川凌・名古屋工業大学

​要旨

リーキーバリア(もしくはリーキーダム)は森林内を流れる小河川において伐倒した樹木を横倒しにし、流量増加時のみ流水の一部を遮断、リーキーバリア上流に貯留して下流へのピーク流量の低減とピーク到達の遅延を図る構造物である。英国においては数多くの実践事例があるが、日本においてはまだ事例が少なく、また、内外においてその水理学亭メカニズムの解明は十分に進んでいない。本発表では、数値シミュレーション等により評価したリーキーバリアの流量低減効果、そのメカニズムを解説するとともに、球磨川の支川松ケ野川上流域の小河川で実践した事例を報告する。

歴史の古い草原は表層崩壊抑制機能が高いのか ~長野県菅平高原における古草原・新草原・森林の比較分析~

発表者

​所属

浅田 寛喜

熊本大学大学院先端科学研究部

連名者

入江瑞生、寺嶋悠人、冨髙まほろ、廣田充・筑波大学山岳科学センター/黒川紘子・京都大学/田中健太・筑波大学山岳科学センター

​要旨

植生は根系による土壌強度補強効果をとおして表層崩壊を抑制している。植生のうち、草原は継続年数が長くなるほど根系を発達させる種が増えることが知られており、継続年数が長い草原(歴史の古い草原)では表層崩壊抑制機能が高い可能性がある。しかし、歴史の古い草原の抑制機能を評価した研究はほとんどみられない。そこで、本研究では、長野県菅平高原において、古草原と新草原、及び人工林を対象として、現場一面せん断試験を実施し、歴史の古い草原が有する抑制機能を定量的に評価することを目的とした。せん断試験の結果、草原は人工林と比較してせん断強度が高く、草原の根系は表層崩壊抑制機能に寄与することが明らかとなった。

河川堤防における治水・コスト・環境を同時に達成する植生制御技術の開発  -九州7水系に残存する望ましい堤防植生(低~中茎草地)からの学び-

発表者

​所属

山根 明

九州大学大学院生物資源環境科学府・日本工営株式会社

連名者

平舘俊太郎・九州大学大学院農学研究院/中島教陽・株式会社建設技術研究所/峰松睦・日本工営株式会社/井上太樹・日本工営株式会社/石原宏二・日本工営株式会社

​要旨

九州の河川堤防では、セイバンモロコシ等の高茎外来植物の繁茂により、堤防弱体化や維持管理コスト増大、生物多様性低下等といった課題が顕在化している。一方、堤防にわずかに残存する低~中茎草地(シバ・チガヤ等)は、土壌化学性(pH等)の違いにより高茎外来植物と住み分け、高い視認性や土壌緊縛力、生物多様性を併せ持ち、刈草量も少ないなど、治水・コスト・環境面で優れた特性を示すことが報告されている。本研究では、九州広域調査に基づき土壌管理のターゲット値を定量的に解明し、土壌化学性の制御を通じて望ましい草地を誘導・維持することで、Eco-DRR、LCC削減、およびネイチャーポジティブの3つの同時達成を目指す。

印旛沼流域の谷津の局所要因と景観要因が水生昆虫群集の多様性に与える影響

発表者

​所属

堀田 和希

東京大学大学院

連名者

平野 佑奈・国立環境研究所/今藤 夏子・国立環境研究所/伊藤 洋・国立環境研究所/田和 康太・国立環境研究所/西廣 淳・国立環境研究所/吉田 丈人・東京大学大学院

​要旨

水生昆虫は多くの個体群が減少傾向にある。水生昆虫の多様性を効果的に保全するには、群集構造とその多様性を形成する要因の理解が重要である。本研究では、千葉県印旛沼流域の谷津を対象として、そこに生息する水生昆虫の群集構造を記述するとともに、水生昆虫の分類群数に影響を与える要因について検討した。調査の結果、水生昆虫群集は入れ子構造であり、種数の少ないサイトの種は種数の多いサイトにも共通して出現した。また、耕作放棄地の多さや谷津周辺の森林面積が分類群数の多寡を説明していた。つまり、水生昆虫の多様性を保全するためには、谷津の水田耕作を維持するとともに、周辺の森林景観を保全することが重要であると考えられる。

渡良瀬遊水地における治水事業と生物多様性保全両立に向けた新たな掘削計画の提案

発表者

​所属

中嶋 陽大

慶應義塾大学環境情報学部

連名者

一ノ瀬友博・慶應義塾大学環境情報学部

​要旨

気候変動による災害激甚化を受け、渡良瀬遊水地では下流部の堤防強化に向けた土壌の掘削が進行している。一方で、掘削地において希少植物の消失や掘削後の管理放棄が報告されており、治水機能と生物多様性保全の両立が急務となっている。
本研究では、ドローンと機械学習を用いて掘削地の植生図を作成し、環境評価を行った。現時点で解析が完了した2地点を比較すると、管理活動の有無が樹林化の進行に大きな影響を与えることが示唆された。今後はサンプル数を増やし、侵略的外来種の侵入状況や管理手法を含めた分析を行う。最終的には掘削方法や管理手法が植生に与える影響を定量化し、持続可能な掘削地の選定基準や管理手法の提案を目指す。

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス内の緑地における生物相の解明と管理方針の確立

発表者

​所属

中嶋 陽大

慶應義塾大学環境情報学部

連名者

一ノ瀬友博・慶應義塾大学環境情報学部/西田康平・慶應義塾大学環境情報学部/SatoFCプロジェクト・慶應義塾大学一ノ瀬研究会

​要旨

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(以下SFC)は豊かな自然環境を有しており、森林を中心に約20haが自然共生サイトに認定された。500種以上の生物が生息していることからも生物多様性豊かな環境として評価されているものの、その環境の維持には多くの課題が残っている。本研究は、SFC内の緑地を対象に持続可能な管理手法の確立を目指すものである。植物、昆虫、鳥類、哺乳類、水生生物の生物調査に加え、ドローンやレーザースキャナーによる環境リモートセンシングの実施、機械学習による哺乳類自動判別システムの開発を行った。これらのデータを元に、生物多様性の保全に向けた簡便で持続性のあるモニタリング体制の構築を推進する。

中小河川の横断面形状が魚類群集に与える影響~巨瀬川におけるB/H指標の提案~

発表者

​所属

福田 圭希

九州大学大学院工学府土木工学専攻

連名者

林博徳・九州大学/鹿野雄一・九州大学/山﨑庸平・九州大学

​要旨

生物多様性回復に向け、わが国の中小河川では治水と環境保全の両立が課題となっている。本研究は中小河川の巨瀬川を対象に、河道のマクロ指標である川幅水深比(B/H)と魚類群集の種多様性の関係を定量的に評価した。調査の結果、魚種数は局所要因だけでなく、B/Hを基盤とした河道スケールの構造に強く規定されていることが示された。B/Hの増大は、洪水時の砂州形成を介して平水時の多様な生息場を創出し、生態系保全に重要な役割を果たす。本研究は、具体的な環境定量目標としてB/H≧8の確保が有効であることを明らかにした。この成果は、治水と保全を両立させる客観的な河道設計指針として期待される。

多主体共創による吉尾川再生プロジェクト

発表者

​所属

髙田 浩志

九州大学

連名者

髙田 浩志 ・九州大学 / 林 博徳・九州大学

​要旨

熊本県は令和2年7月豪雨により大きな被害を受けた。球磨川の支川である吉尾川も同様であり、護岸の倒伏、河川からの外水氾濫が発生した。
洪水対策を目的として河川改修の実施を予定しており、官学民から地域住民、大学、県、町等の多様な主体が参画し、1年間のワークショップと意見交換を経て、計画を作成した。
計画では、河川を拡幅することで改修区間の安全を確保するとともに、洪水の貯留により下流集落への洪水到達を遅らせることを目的としている。さらに、多自然川づくりの一環として行うことで地域住民も利用できる良好な河川環境を保全・創出する河川づくりを目指して計画を作成した。

唐原川​プロジェクト​ ~大学のそばを流れる川の小さな自然再生~

発表者

​所属

伊豫岡 宏樹

九州産業大学 建築都市工学部 都市デザイン工学科

連名者

伊豫岡 宏樹/古野 正章/岩下 雅隼/森田 柊/網中 あお

​要旨

唐原川プロジェクトは、九州産業大学のそばを流れる二級河川・唐原川を対象に、学生と地域団体が協働して取り組む「小さな自然再生」の活動です。高齢化や地域の関心低下により維持が困難となっていた河川環境に対し、講義でのフィールドワークを契機に、草刈りによる外来種の除去、ワンドやたまりの造成、掘り出した石を活用した石倉づくりなどを続けています。その結果、水質や景観の改善、生物の利用確認、地域の子どもたちの関心向上といった成果が徐々に見られています。一方で、メダカの消失や外来種の影響、地域連携や活動の継続性といった課題も明らかになっており、今後は継続的な調査と学部横断的な体制づくり、地域との協働強化が求め

能登のグリーンインフラ復興を考える研究会:産学官民金による里山里海の「創造的復興」とNbS・Eco-DRRの社会実装モデル構築

発表者

​所属

上野 裕介

石川県立大学

連名者

上野裕介(石川県立大学)・森岡千恵(国土技術政策総合研究所)・中村華子(金沢大学能登学舎)・鎌田磨人(徳島大学)

​要旨

2024年の能登半島地震と豪雨を受け、豊かな自然資本を活用した「創造的復興」を目指す「能登のグリーンインフラ復興を考える研究会」の活動を紹介する。本研究会は産学官民金の有志80名超で構成され、トキをシンボルに里山里海の生業と暮らしを再興するNbS(自然に根ざした解決策)の社会実装を掲げる。2025年のフェーズ1では現地視察や課題整理を行い、2026年以降はモデル地区での計画策定・実装化へ移行する。技術評価や制度検討を通じ、Eco-DRRを活用した「災害に強く安心安全で魅力的な地域」の構築と、得られた知見の他地域展開を目指している。本研究会はオープンな活動であり、多くの方のご参加を歓迎します。

三重県竜ヶ岳における植物に配慮した登山行動を促す情報発信の手法

発表者

​所属

奥戸 祐貴

京都産業大学 生命科学部

連名者

京都産業大学 西田貴明

​要旨

山地における生物多様性の保全や登山道環境の維持はグリーンインフラの一環と考えられる。多くの登山者が訪れる山地において、植生保全は登山者の行動と密接に関係している。
現在、植生保全を目的とし、ロープ設置等の物理的対策が講じられているが、継続的な費用負担を伴い、長期的な維持が課題である。そこで低コストで持続可能な情報発信の方法を検討した。三重県いなべ市に位置する竜ヶ岳を対象に、感謝を示す看板を登山道に13個設置し、登山者の経路選択行動が変容するか検証した。遠足尾根において、看板の種類別で2839人の登山ルートを分析し、禁止の看板を設置した期間が、最も正しい経路選択行動が多くみられた。

Webアプリケーションを用いたナッジ介入による自然との関わり促進効果の検証

発表者

​所属

三鬼 裕泰郎

京都産業大学大学院 生命科学研究科

連名者

張浩東・京都産業大学大学院/上杉瑠伽・京都産業大学大学院/松川幸介・京都産業大学大学院/棟方渚・京都産業大学大学院/西田貴明・京都産業大学大学院

​要旨

グリーンインフラ(以下GI)の推進に伴い市民参画が重視されている。しかしGIの推進に資する行動に関する行動変容研究は十分でない。そこで本研究では三重県いなべ市にぎわいの森でアンケート調査による行動の要因把握と効果的な情報提供の検証、Webアプリを用いた情報提供による行動変容効果を調査した。対象行動はGI空間の評価や活用に寄与する「動植物や風景の記録やSNS等への報告」とした。アンケートの結果、「貢献の実感」が有効と示唆され、Webアプリを用いた実験では「貢献の実感」を行った介入群は対照群に比べ行動量が高かった。Webアプリを用いた「貢献評価」はGI空間における市民の行動変容を促す可能性がある。

グリーンインフラ商業施設(三重県いなべ市にぎわいの森)における利用者の主観的ウェルビーイングと行動の特性

発表者

​所属

松尾 彩子

京都産業大学 生命科学部

連名者

西田貴明・京都産業大学

​要旨

既存のインフラの老朽化・自然災害の増加に伴い多様な効果が期待されるグリーンインフラ(以下GI)が注目されている。GI機能としてウェルビーイングへの寄与などが挙げられているが、GIとウェルビーイングの関係は十分にわかっていない。そこで、本研究ではGI商業施設である三重県いなべ市にぎわいの森において、利用者のウェルビーイングと行動の特徴に注目し、利用者にアンケート調査を実施した。アンケート調査では、当日の利用者の施設の利用行動・緑の満足度・施設の満足度・主観的ウェルビーイングをはじめとした属性に関する設問を設定し、利用者の主観的ウェルビーイングや施設利用の特徴を明らかにした。

総合的な探究の時間におけるグリーンインフラを用いた環境教育モデルの設計

発表者

​所属

堀川 祥真

京都産業大学 生命科学部

連名者

堀川祥真・京都産業大学

​要旨

環境教育等促進法の改正に伴い、環境教育の推進体制が強化された。しかし、教員はカリキュラム設計に課題を抱えており、高等学校における総合的な探究の時間においても同様の課題を持つ。本研究は、これらの課題を解決する方策として、全国各地に存在するグリーンインフラ(以下:GI)を題材とし、GI探究型学習のモデル構築を目的とする。GIまたは自然に関する地域課題解決型かつ探究型授業を実施する高等学校のポスターやHPといった文献調査と教員に対してヒアリング調査を実施した。調査の結果、生徒が自己効力感を獲得できるようなカリキュラム設計が有用であることが示唆された。

3D Gaussian Splattingを活用したVR森林体験プログラムの構築及び実践

発表者

​所属

玉田 祐介

北海道立総合研究機構 林業試験場

連名者

玉田祐介・北海道立総合研究機構 林業試験場/橋本朝陽・北海道立総合研究機構 林業試験場

​要旨

自然との触れ合いは人間の心身の健康や学習に寄与する一方、都市化の進展によりその機会は減少している。本発表では、近年注目されている 3D Gaussian Splatting(3DGS)を活用し、森林環境を三次元的に再現したVR森林体験プログラムを構築した。北海道内の森林を対象に 360 度動画及び環境音を取得し、3DGS データを生成して VR 空間に実装した。また、動物剥製から取得した 3D モデルを VR 空間内に配置し、生物と森林環境との関係性を視覚的に提示した。3DGSは、環境教育やレクリエーションに加え、都市緑地や社有林の PR等、グリーンインフラの社会実装における活用が期待される。

あさぎりの竹しずく|雨を楽しむグリーンインフラ駐車場

発表者

​所属

政金 裕太

信州大学農学部

連名者

​要旨

本プロジェクトは、鉄筋の代わりに竹を使った竹筋コンクリートの透水性舗装駐車場と、雨水を貯留浸透する雨庭が一体となったグリーンインフラである。竹筋コンクリート舗装には竹筒を縦方向に据え、雨水が路盤まで浸透する設えとした。駐車場部分を含む雨庭全体の集水面積は隣地建物屋根(86.9㎡)と合わせて115.55㎡で、この範囲に降る雨が雨庭に集まる。また、竹筋を使用したことで竹の中に31.6kgの炭素を固定することができた。さらに、このプロジェクトは多様な関係者が参加する共創によって実現していくプロセスを採用し、縦割りを超えた横断的なプロジェクトとなった。

熊本県における雨庭の広がりにみる、グリーンインフラ普及の鍵

発表者

​所属

所谷 茜

熊本県立大学

連名者

山道未貴・熊本県立大学

​要旨

熊本県における雨庭の展開は、グリーンインフラが社会に実装されるモデルケースといえる。本発表では、雨庭がいかに住民や民間事業者に受容されたのか、その過程を紐解くとともに、経済・社会にどのような影響を及ぼしたのかを明らかにする。普及の鍵は、ゆるやかで開かれたネットワークを形成したことにある。当初は雨水流出抑制策としてのみ捉えられていた雨庭が、地域固有の重要課題である「地下水保全」と結びつき、さらには、土中環境の改良やガーデニングといった個人の関心領域とも結びついたことで、新たな価値が付与された。これらを踏まえ、今後のグリーンインフラ普及のあり方を提案する。

雨庭における炭素貯留量及び炭素フラックスの評価に関する基礎的研究

発表者

​所属

SUN QIWEI

熊本大学

連名者

皆川明子・熊本大学/浅田寬喜・熊本大学

​要旨

近年、脱炭素社会の実現と気候変動への適応策として、雨庭に代表されるグリーンインフラが注目されている。雨庭は雨水流出抑制や生態系保全に寄与する一方、土壌炭素貯留効果を有することが示唆されているものの、その定量的評価は十分に行われていない。そこで、本研究では、熊本県立大学内の雨庭を対象に、土壌炭素貯留量および土壌からのCO₂フラックスを測定し、雨庭における炭素循環に関する知見を得ることを目的とした。雨庭の雨水浸透部および雨庭外では土壌炭素貯留量が植生域より高く、雨庭外のCO₂フラックスは雨水浸透部より高い傾向が確認されたことから、雨庭がグリーンインフラとして、炭素貯留に寄与する可能性を示している。

植生が雨庭の浸透能に及ぼす影響の評価について

発表者

​所属

山下 三平

九州産業大学

連名者

井上慶太郎・九州産業大学

​要旨

近年,豪雨の頻発により都市部では浸水や内水氾濫が深刻化しており,その対策として雨庭などのグリーンインフラが注目されている。本研究では,九州産業大学キャンパス内に設置されたCELL雨庭を対象に,2023~2025年の水位観測データから浸透能を算出し,水位や季節との関係,および土壌有機物特性について検討した。その結果,浸透能は経年的に向上し,貯留水位との正の相関および季節変動が確認された。また,CELL土壌ではC/N比が14.75を示し,微生物が活動しやすい土壌環境が形成されつつあることが示唆された。これらの結果から,植生の成長や土壌環境の変化が雨庭の浸透機能に寄与している可能性が示された。

枯山水庭園の雨水管理機能の実測・評価とそれに基づく雨庭デザインの提案

発表者

​所属

山下 三平

九州産業大学

連名者

津久井悠生・九州産業大学/江見朝咲・九州産業大学/森本幸裕・京都大学

​要旨

近年激化している都市型水害への対策に,小規模分散型の水管理施設の増設,GIへの転換が必要だが,我が国への導入には風土に適した要素技術の適用が求められる.そこで,日本古来の枯山水庭園に注目し,相国寺の枯流の雨水管理機能の実測と評価を行う.また,それらを基として新しい雨庭のデザインの提案を試みる. 2021年から,降雨の多い6月~11月頃までの期間に毎年観測を行っている.分析の結果,減水時枯流浸透能[ICD]は平均75.9mm/hと見積もられた.これは京都市の観測史上最大の1時間降雨量102.0mm/hの7割強が浸透することを意味する.

SpeciesNetとVIGIC340Wを活用した動物検知システム「くまカメ」の開発

発表者

​所属

佐藤 琢磨

熊本県立大学

連名者

​要旨

 この研究は、くまカメのプロジェクトで梅雨・台風時期にしか使われないという課題を克服するために、同じカメラを活用して、獣害対策カメラに応用するための研究です。
 野生動物の自動撮影カメラで収集された大量の画像データを、人手に頼らず高精度かつ低コストで解析・分類することを目的とした、サーバーレス自動通知システムの構築しました。トレイルカメラなどのカメラトラップは、野生動物調査で活用され、動きを検知してシャッターを切るため、森林に設置して放置するだけで動物の行動を記録できます。しかし、この調査で得られる膨大な画像の解析には労力が必要となります。本システムは、この解析作業を自動化し、効率化を図ります

ボトムアップ型のスケーラブルで柔軟なIoTデータマネジメントシステムの提案

発表者

​所属

古田 尚也

大正大学 学修支援センター

連名者

​要旨

 流域治水に関連して、今後、雨量や水位、気温、湿度などの様々な環境データがIoTを活用して大量に獲得されることが予想される。本研究では、こうして獲得された大量のデータを有効に活用するための、ボトムアップ型でスケーラブルで柔軟なIoTデータマネジメントシステムのプロトタイプを構築し、その実現可能性を示した。

雨庭用水位計と雨量計のPoC開発について

発表者

​所属

古田 尚也

大正大学 学修支援センター

連名者

​要旨

 流域治水の有効性を示すためには、定量的な測定が欠かせない。本研究では、現在、各地で作られている雨庭がどの程度畜雨や浸透に寄与しているかについて安価かつリアルタイムでデータを計測するため雨庭用水位計や雨量計のプロトタイプを作成し、基礎的データの取得・分析を通じて、その実用性等について考察を行った。

雨庭の流出抑制効果の可視化と、土壌浸透の改善に向けた試行

発表者

​所属

田浦 扶充子

福岡大学

連名者

田浦扶充子(福岡大学)/島谷幸宏(熊本県立大学)/米岡伸一郎、米岡尚倫(株式会社東武園緑化)/栗山和道(株式会社フクユー緑地)/篠原学(株式会社ネオコンクリート)/中川清文(城東リプロン株式会社)

​要旨

本研究では熊本県内への雨庭普及を目指し、以下3点を軸に展開している。 ①熊本県立大での流出抑制効果の検証と土壌浸透能の経年変化では、豪雨時においても高い抑制性能を確認し、浸透能が経年的に大きくなることが確認された。また、②雨庭の流出抑制効果を概ね再現できるシミュレーションを構築し、設計時に効果の目安を算出可能なツール化を行った。土壌浸透能が重要なパラメータであるため、③県内複数の土壌改良がなされた雨庭で浸透能の把握を実施しており、土壌改良を施すことで市街化された土地利用においても浸透能を高めることが可能であることがわかってきた。

Impact of Land Use Change on Water Disasters and Runoff Control Methods in the Tsuboi River Basin: Toward Green Infrastructure Solutions

発表者

​所属

FAJRIAN DHEFYNSA ALIFIA

Kumamoto University

連名者

Dhefynsa Alifia Fajrian, Hiroki Asada, Tomoko Minagawa

​要旨

Rapid urbanization has increased flood risk in the Tsuboi River Basin, Kumamoto City. Using InfoWorks ICM, this study compares land use in 1900 and 2022, showing increased runoff and peak discharge and identifying priority areas for future NbS-based flood mitigation.

Integrating Catholic Environmental Ethics into Urban Nature Coexistence: A Case Study of Sophia University's Campus Biotope "Fons Gratiae" (上智大学ビオトープ「Fons Gratiae」における都市型自然共生の実践研究に向けて)

発表者

​所属

渡辺 剛弘

上智大学

連名者

ショート真菜(上智大学)/橘高七帆(上智大学)/小西美慶(上智大学)/コントスタ・ジョン(上智大学)/渡辺剛弘(上智大学)

​要旨

本ポスターは、上智大学ビオトープ「Fons Gratiae」を対象に、雨庭と掛け合わせた都市型グリーンインフラの実践研究計画を紹介する。劣化や維持管理体制の課題を抱える既存ビオトープを、雨水浸透能の測定等が可能な自然共生エリアとして生まれ変わらせ、生物多様性保全、水循環改善、防災、教育等への貢献を目指す。さらに、カトリック大学であるため、カトリックの環境観(回勅『ラウダート・シ』等)を背景に、生物多様性と環境の価値を社会的・神学的な視点から探る。学内外の連携による運営体制づくりや、千代田区の生態系ネットワーク、OECM登録、30by30目標への寄与など、大学キャンパスが担う新たな可能性を提示す

水も、考え方も、しみる雨庭 ――玄関前の〈小さな流域〉が描いた、暮らしのオートエスノグラフィ

発表者

​所属

渡辺 剛弘

上智大学・善福寺川を里川にカエル会

連名者

渡辺剛弘(上智大学・善福寺川を里川にカエル会)

​要旨

本展示は、自宅の玄関前に生まれた〈小さな流域〉をベースに、雨庭が人の暮らしや考え方をどのように形づくるのかを記録したオートエスノグラフィをポスターとして表現する試みである。雨水の滞留や浸透といった物理的過程の観察に加え、日々の手入れや家庭内の対話を通して、治水や環境配慮の考え方が暮らしにしみ込んでいく過程を描く。このポスターは、研究者が一方的に記録したものではなく、雨庭と、そこに集まる様々な生き物がどのように人を巻き込んできたかを描いた記録でもある。雨庭を、物理的な性能だけでなく、人間スケールの関係を育て、価値の循環をスローにする〈暮らしのインフラ〉として提示する。

雨庭スタンダード・テキストブック

発表者

​所属

田浦 扶充子

福岡大学

連名者

くまもと雨庭パートナーシップ 技術ワーキンググループ

​要旨

くまもと雨庭パートナーシップ技術WGでは、2026年2月発行予定の研修用「雨庭スタンダード・テキストブック」を策定しており、本ポスターではその全容を紹介する。本書は、雨庭を洪水抑制や地下水涵養、炭素貯留などの多面的機能を持つグリーンインフラと定義し、「共創」の視点から設計・施工・維持管理の手法を体系化している。特に土壌の浸透機能について詳説するとともに、住宅敷地や道路への導入時における治水効果の具体的な計算・評価手法を解説する。本テキストを用いた実践的な研修活動を通じ、技術者の育成とネイチャーポジティブな地域づくりの社会実装を推進することを目的とする。

相国寺裏方丈庭園の物理的環境とコケ植物の分布

発表者

​所属

小泉 明生

京都大学大学院  地球環境学舎

連名者

山下三平・九州産業大学/深町加津枝・京都大学/小林亮平・京都大学/宮崎優・京都大学

​要旨

日本庭園においてコケ植物(蘚苔類)は景観を構成するうえで欠かせない要素の一つであり,京都市内の庭園においても様々なコケ植物が重用されてきた.今日においても庭園内におけるコケ植物の種多様性についてはいくつか研究が行われており,保全地として日本庭園が注目を浴びているのは紛れもない事実である.一方でヒートアイランド現象などによるコケ植物の枯死が懸念されている.そこで本研究では伝統的雨庭である相国寺の裏方丈庭園においてコケ植物の多様性を調査し現状の保全地としての機能を評価するとともに、物理的環境とのかかわりを明らかにすることで今後の保全管理への活用を目的とした。

相国寺裏方丈庭園における植栽・景石の空間構成

発表者

​所属

宮﨑 優

京都大学農学部森林科学科 環境デザイン学研究室

連名者

小泉明生・京都大学/山下三平・九州産業大学/丹羽英之・京都先端科学大学/深町加津枝・京都大学

​要旨

庭園の植栽は作庭時から少なからず変化しており,今後の日本庭園の在り方,継承方法について様々な議論が予想される.しかし,現在の日本庭園における植栽・景石の空間構成について総合的な分析をした例はほとんど存在しない.そこで伝統的雨庭である相国寺において植栽・景石の構成を調査・測定し,それらの維持管理体制を明らかにし,配置の意図を考察した.植栽全274本のうち最多はアセビで44本であった.また15年ほど前には花物を中心に約64本が追加植栽されていた.使用されている景石の種類は白川石など七種類であった.排水経路については三種類が確認でき,庭園の集水域と雨庭機能との関係が示唆された.

雨水に関わるルール

発表者

​所属

鈴木 詩衣菜

聖学院大学

連名者

釼持麻衣・聖学院大学

​要旨

水害の抑止のひとつとして、雨水の管理が挙げられるが、我が国には、雨水や雨水排水料金に関わる法制度はない。諸外国では、水の持続可能な管理や洪水対策推進を実施している。本ポスターでは、主にドイツ、オランダ、ベルギーに着目し、それぞれ採用している雨水税、その算出方法、減免措置、政策連携について整理し、我が国の導入可能性とその法的課題を検討するとともに、将来的に我が国における段階的な課税モデルの展開を一考した。

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